2012年5月9日水曜日

お知らせ


「めまい」の原因は色々あります。疲労からくるものや立ち眩みのことが多いのですが、血圧が急に上昇した場合にも生じます。めまいを感じたら横になって安静にすることが必要です。「動悸」もよくある症状です。動悸を感じた場合には、まずは深呼吸などをして気分を落ち着かせるようにします。余裕があれば、手首の動脈を触って実際に脈が速いのか脈が乱れているのかを調べておくと、病院を受診した場合に役立ちます。
いずれの症状も、普通は軽いものが多く安静によって良くなるものが多いと思いますが、脳の血液の流れや心臓の状態、高血圧に関係する症状のこともありますので、症状がひどいものは機会をみて検査を受けるようにしてください。
運動不足を解消しようと思って、冬場は除雪、春先は氷割に精を出して疲労してしまい、体調を崩した方もおられると思います。過労や睡眠不足もめまい・動悸の誘因です。高血圧に対する日常的な治療方法として運動療法というものもありますが、急に作業を始めるのではなく、無理のない程度の運動を日ごろから継続することが大事です。

血圧が高いようですと説明すると、「食べ物のせいですか」と質問されることがあります。偏食ということではなく、こと高血圧に関しては食べ物は多いに関係あります。それは塩分摂取量です。
以前脳卒中死亡が死因の第1位であった頃で、塩分摂取推定値が1日25gにも達していた地域もあったそうです。つまり食塩の過剰摂取のために高血圧の人が多かったことが原因です。
現在の国民一人あたりの食塩摂取量は11g〜12gまで低下してきていますが、目標とされている数値は1日6g未満です。ラーメン一人前の食塩量は6gくらいなので、一口に塩分摂取量を減らすと言っても大変ですが、減塩できれば血圧が下がっていくことが期待できますのでうす味になれていくトレーニングも必要と思います。


子供のための減量健康ダイエット

めまいは頭痛と同じくらいに多い自覚症状の一つです。症状のひどい場合は、じっとうずくまって身動きできずに嘔吐し続ける場合もあります。軽い場合でも「グルグル回る」「立ちくらみ」「眼の前が暗くなる」「ふわふわする」「気を失いそうになる」「歩くとよろけるような気がする」など症状はさまざまです。
有名なメニエル病のように、内耳というところの異常では「グルグル回る」めまいになることが多いようですが、脳幹とか小脳の卒中発作の場合もあり、症状だけではなかなか難しいです。目の前が暗くなって気を失いそうになる場合でも原因がわからないこともありますが、不整脈がみつかって今までよく大丈夫だったなと驚くこともあります。軽いめまいは、疲労や心因性、高血圧や逆に低血圧の場合、そして貧血の場合もあり、軽い脳梗塞がみつかって慢性脳循環不全と考えられる場合もあります。
安静にしているうちに治ってしまう場合が多いと思いますが、長い間続いたり何度も繰り返すようなら、めまいには色々な原因が考えられますので、病院を受診して検査を受けたほうが良いと思います。

手足にしびれがあり頭も痛いので脳梗塞の前触れではないかと心配している人が大勢いると思います。確かに検査を受けてもらうと、実際に脳梗塞が見つかる人もおられます。でも、本当の「脳梗塞の前触れ」が何日も何週間も前から続いていることは少ないです。前触れと言えるものは「一過性脳虚血発作」と呼ばれる症状がそれです。半身の手足に力が入らなくなったり、言語障害がでることがあります。視界の半分が見えなくなったり、片一方の眼が突然見えなくなることもあります。ただ、「一過性」とついているように、普通は数十分で元に戻りますから、治ったからといって放置すると、後遺症が残るような本格的な卒中発作が生じる結果になります。
その「前触れの症状」が自分でもはっきりとわからないこともあるようです。急に指の力が抜けて持っていたものをポトリと落としてしまったとか、器用に指を動かせなかったとか、歩くと足に力がはいらなくて少しの間ふらついたとか、少し酔ったようなしゃべりかたになったとかのように、漠然としたような症状のこともありますので、すぐに治ったからと言っても安心できないこともあります。


スポーツ医学シンスプリント

不眠を感じている人はとても多いようです。騒音や体の具合が悪くて、眠る事ができない場合も多いでしょうが、「眠れない」と言って外来を受診する場合には、なんらかのストレスそれも精神的なストレスが関わっていることが多いのだと思います。不眠が続くと、血圧などにも影響がでるので、睡眠障害の改善はとても重要なものと思います。
睡眠障害には、寝付きが悪い場合と途中で目覚めてしまう場合があります。それにあわせ、睡眠薬にも種類があり、作用がすぐあらわれて効いている時間が短い「睡眠導入剤」と、作用があらわれるまで多少時間がかかるかわりに少しばかり長く効いているタイプのものがあります。睡眠薬の「中毒」になったりしませんか?と質問されますが、最近使われている睡眠薬は、普通ののみ方をしていればそんなことはありませんし、不要になれば休薬すれば良いのですから。治療には睡眠薬の手助けを受けることが多いので、まずは薬を信用してほしいと思います。

大病院の勤務を通じて、脳卒中後遺症に苦しむ患者様と患者様の家族の方に数多く接してきました。脳卒中になると自分自身だけでなく家族の人もつらい境遇になります。脳卒中の原因は「動脈硬化」であり、「動脈硬化」の原因の多くは「老化」と「生活習慣病」といわれる病態です。トシには勝てないと言うように「老化」は仕方がないにしても、「生活習慣病」その中でも特に「高血圧」の治療によっては脳卒中も予防できると思います。


喉頭神経麻痺

「運動」は糖尿病の重要な治療の一つですが、高血圧の人にとっても、特に軽度のうちは運動療法は有効です。適切な運動を10週間も続けると収縮期血圧で20mmHg以上、拡張期血圧で10mmHg以上も下がるとのデータがあったり、平均として収縮期血圧で11mmHg、拡張期血圧で6mmHg程度降圧するとも言われています。特に「血圧が若干高い」ようで「高血圧の薬はのみたくない」人には運動療法にも期待がもてます。
高血圧の治療として有用な運動は、「有酸素運動」と言って酸素をたくさん使う運動だそうです。これでは何のことだかわかりにくいのですが、呼吸で吸収できる酸素の量にみあった体力的に無理のない量の運動をすることなのだと思います。そのような運動を「長期間くり返して続ける」と、血圧を下げる作用があることが分かっています。勧められる有酸素運動は、ウォーキングや軽いジョギング、平らなところでのサイクリング、ゆっくりと長い距離を泳ぐことなどです。運動量としては1日30分以上で、定期的に、できれば毎日行うことが重要です。
激しい運動では、運動量が多くなりすぎて「無酸素運動」になる可能性があります。苦しいのを我慢して行う運動、筋力トレーニング、動きの激しいエアロビクスなどがそれに相当します。その場合は逆に血圧が上昇してしまいますので、卒中や心臓発作が起こる可能性があるので危険なこともあります。ですから、一週間分をまとめて運動しても有益とは言えません。
運動中(特に有酸素運動)には鎮静作用のあるベータ・エンドルフィンが安静時の3〜5倍も脳から分泌されるので、運動後の爽快感や精神的ストレスの解消に貢献しているのではないかと言われています。有酸素運動を継続すると心身ともにリラックスでき不安の解消にも有益かもしれません。



脂肪には常温で固まるものと常温で液体のままのものがあります。高脂血症の程度にもよりますが、その血液を試験管に入れて放置すると、一番上に脂肪の層ができます。その浮いている脂肪を見ていると、その脂肪が動脈の壁に蓄積して動脈硬化になっていくような気もしてしまいます。
常温で固まるものは「飽和脂肪酸」で主に獣肉類の脂肪に含まれます。常温で液体のものは「不飽和脂肪酸」と言われ、オリーブ油、魚の油・植物油に含まれます。魚は水の中に住むので、常温で固まってしまう脂肪では体が固まって困ってしまうことになりかねません。
ごく大まかな話をすると、飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす作用があると言えます。ですから、魚油などの不飽和脂肪酸は動脈硬化の予防に働いて血栓予防に作用するとされています。
もちろん魚ばかりを食べていれば良いというわけではありませんし、取りすぎれば肥満になります。日本では、動物性脂肪や動物性蛋白質の摂取量が増加してしまったことはよく知られています。総摂取量を適切にしつつ偏りがないような食事が大事なわけですが、主に魚を食していた日本食が見直されている理由がここにもあります。


肥満はほとんどすべての生活習慣病の温床となっています。肥満といっても色々程度はありますし、肥満の人は全員高血圧というわけではありませんが、肥満ではない人と比べて高血圧の頻度は3.5倍くらいだそうです。血液が全身の血管を流れる圧力が血圧なので、肥満になって体が大きくなる分、血圧が少し高くなる必要があるような気もします。そうなると心臓に対する負担も大きくなります。
肥満の人が減量できると血圧が下がることはよく経験します。臨牀試験でも減量の効果は確かめられており、4.5Kgの減量に成功すると明らかに血圧が下がるという結果もあり、血圧の薬を減らすこともできます。
最近、「エネルギー倹約遺伝子」というようなものがみつかったそうです。この遺伝子をもっているとエネルギーが倹約されて太りやすいということになるのでしょうが、ご先祖様のせいにしてもしかたありません。
そのうちに減量したいと考えておられる人もいると思いますが、脳卒中のために体が不自由になってしまったり体重のために足腰が痛くなってからでは、運動による減量もできません。元気でいるうちにがんばってほしいと思います。

「目の前がチカチカしてきてチカチカが広がり」、その15分後くらいに急に「頭がどっきんどっきんと脈打つように、あたかも頭に心臓があるかのように痛くなる。」 これが典型的な片頭痛の症状です。治療しないと半日から2、3日も頭痛が続きます。


しかし実際には症状も様々です。「片」なのに両側が痛くなる場合もあります。「ずっきんずっきん」も、「ズキズキ」だったり「グーッとくる」のこともあります。「目の前がチカチカする」という前兆が全然なくて、突然痛くなるタイプもけっこう多いです。小中学生の片頭痛は、頭痛が短時間でおさまったり痛み方も大人とはかなり違うようです。

ただ頭痛や前兆以外にも手がかりはあります。片頭痛の頭痛は肩こりからくる頭痛よりかなりひどく、寝込んでしまって普通の日常生活をおくれなってしまう場合が多いです。また、嘔吐や下痢を伴うこともあり、音や光、においに敏感になるので、暗い部屋でじっとしていなければならなくなると言う人もおります。人ごみや換気の悪い場所、直射日光やライトなどの強い光(テレビゲームも)、騒音、強烈なにおい、空腹(朝食抜きの人など)による低血糖も誘因になります。そして、普通は、月に1〜2回、多い場合にも週に1〜2回の頻度で生じます。

片頭痛の人が自分が片頭痛であることを知っているのはたかだか11.6%だそうです。片頭痛はそれほど多い病気とは思っていませんでしたが、そうでもないのかもしれません。

高血圧は合併症を伴わない場合には「特異的」な症状はありません。高血圧による動脈硬化によって「内臓の障害」を伴う状態になっても特有の症状はなく、さらに「合併症」がでて初めて特異的な症状を認めます。ちなみに合併症というのは、脳卒中や心筋梗塞のことです。

しかし、「特異的」でなくても高血圧には症状は色々あります。まずは「頭痛」です。「頭が重たい」、「脳がびっしりつまったようだ」など。頭痛がひどい場合には「吐き気」を伴う場合もあります。「めまいがするようだ」「ぐらぐらする」というのもよくあります。「まっすぐあるけない」「しびれる」というような、あたかも脳卒中発作のような症状を訴える人もいます。「頭にキラキラと星が降っているようだ」というのもありました。あとは、「肩がいつもこっているようだ」とか「頚の血管がつまったように苦しい」という症状もありました。心臓に負担がかかっているせいか「胸が苦しい」「動悸がする」もよくあります。「眠れない」、「不安を感じる」というのもありますし、「おしっこがちかくなる」とい う症状もありました。

このように高血圧にも自覚症状はたくさんあるのだと思っていますが、症状が何もない場合が一番多いのかもしれません。あっても軽度というかあまり自覚がない場合もあるようで、治療して血圧がさがると、「そういえば頭重感がとれて肩がらくになりました」という人もおります。血圧は加齢とともに上昇することは周知と思いますが、症状に心当たりのある場合には何度か血圧を測ってみてはいかがでしょうか。



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